あなたの財産を守る、活かす、遺す。北九州市で家族信託なら橋本裕教司法書士事務所

信託の機能

ここでは信託の主な機能をご紹介します。信託をいろいろな案件に上手に活用するにはまず信託の持つ機能を十分に理解することが重要です。

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 自分が元気なうちに財産の管理方法及び承継方法を委託者が信託行為(契約や遺言など)で定めておくことにより、信託設定当時の委託者の意思を、その後の委託者の意思能力喪失や死亡といった事情に左右されずに、長期間にわたり維持していくことができる機能です。

⊆益者連続機能
 信託設定によって発生する受益権を受益者に連続して帰属させることができる機能のことです。例えば夫が生前に信託を設定し、当初受益者を自分自身とし、自分が亡くなった後には妻が二次受益者となり、妻亡くなった後には長男が第三次受益者となるように定めておくことが可能です。これにより民法では実現不可能とされている「後継ぎ遺贈」と同様の効果を信託によって実現することができます(⇒事例4「配偶者の親族側に財産が承継されると困る」)。ただしこのような受益者連続信託は契約時から30年経過後の受益者の死亡によって受益権を取得した受益者をもって終了するという制約があります(信託法91条)。

※後継ぎ遺贈とは?
 Aが死亡すれば、Aの財産をBに遺贈するが、その後Bが死亡した後はCに遺贈するというように、遺言者が第一次受遺者とその後の第二次受遺者を指定するような遺贈のことを言います。このような遺贈は民法上認められないという見解が有力です。

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 多数の委託者の財産の名義を受託者の単一名義にまとめる機能のことです。これにより受託者が複数の委託者の財産を一括管理でき、さらに受託者に委託者間の調整役としての役割を担わせることもできます。この機能が特に力を発揮するのは共有名義になっている不動産の管理です(⇒事例3「共有不動産の管理を簡単にしたい」)。また財産が構成員全員に総有的に帰属する権利能力なき社団についても、この信託の名義集約機能を利用した不動産管理が有効なことがあります。

じ⇒転換機能
 ある財産に信託を設定することによって所有権が一時的に姿を消して、所有権の代わりに受益権という債権に姿を変える機能をいいます(「物権の債権化」)。先ほどの共有不動産の例でいうと不動産の共有者が共有持分(所有権)を受託者に移転して所有権を失う代わりに、不動産共有者は受益権(その不動産から生じる便益を受ける権利)を取得するわけです。所有権を受益権化することによって資産の流通をコントロールすることができるようになるメリットがあります。例えば家族信託でよく行われるように受益権に第三者への譲渡禁止特約をつけ、資産の流通を阻害することもできますし、逆に不動産ファイナンスの世界でよく行われているように不動産を信託して信託受益権として流動化・証券化し、投資家からの資金調達に役立てるというように資産の流通を促進することもできます。

ズ盪妻離機能
 自己の固有財産と信託財産とを分離することによって、または複数の信託財産を形成することによって、各財産ごとに管理方法や承継方法を決めることができる機能をいいます。そして固有財産については民法の世界の規律を受けますが、信託財産については信託法の世界の規律を受けることになります。例えばある不動産を生前に信託していた場合、仮に委託者が意思能力を喪失し、成年後見人が就任したとしても信託不動産に関しては成年後見人の管理は及びませんし、仮に委託者が亡くなったとしても信託不動産に関しては民法の相続法の規律を受けません(ただし、信託受益権が遺留分減殺請求の対象となるかどうかについては争いがあります)。

家族信託を使うメリット

ヽ謄薀ぅ侫好董璽犬鯤饑櫃垢訥拘的な財産管理を可能にする。
 人のライフステージは〃鮠鎰能力減退G塾倭喙梱せ猖患擇咾修慮紂△搬腓泙に分けることができるでしょう。成年後見制度は↓の段階、遺言はい了猖柑の段階での財産管理をカバーする制度ですが、家族信託は〃鮠鏤からせ猖患擇咾修慮紂併猖憾紊瞭鷦 三次相続まで含めて)の全ての段階で長期的・継続的な財産管理を実現するものです。

当事者の意思を反映した柔軟かつ多様性に富んだ財産管理を可能にする。
 平成19年に新信託法の施行により、信託設計の自由度が格段に増しました。これにより個々人の実情に合わせた柔軟な信託設計が可能となりました。従来からある財産管理の制度としては成年後見制度がありますが、あくまでも本人の保護のための制度であり本人の財産を維持管理する方に力点が置かれ、本人の財産を本人以外の第三者のために積極的に利用したり、相続人のための相続税対策を行うことが難しいなど本人以外の家族にとっては少し厳しい制度となっています。この点、信託は自分のためだけでなく、自分以外の家族のためにも、長期にわたっての財産の管理・運用を可能とするものであり、個々の家族の実情に合わせた柔軟かつ多様性に富んだ財産管理を実現することができます。

I堝飴困龍ν問題の解消を可能にする。
 信託の名義集約機能を利用して、不動産を受託者に一括して管理・運用させることで、共有者間の意見の食い違いから生じる膠着状態(デッドロック)の防止に役立ちます(⇒事例3「共有不動産の管理を簡単にしたい」)。

ぬ泳,任麓存宿垈椎修丙盪詐儀僂離好ーム設計を可能にする。
 民法の遺言と類似の機能を果たしながら民法の遺言執行などの煩わしい手続きが不要である遺言代用信託や民法の遺言では不可能とされている後継ぎ遺贈と類似の機能をもつ(後継ぎ遺贈型)受益者連続信託などの設計が信託により可能となっています。

サ詆婪盪困梁人佑兵け取り方を設計できる。
 遺言で相続財産を望んだ相続人に承継させればそれで終わりというのではなく、承継財産をその相続人にどう給付するかという問題があります。例えば相続人に浪費癖がある人がいるとします。一度に財産を相続させてしまうとあっという間に使い切り、本人の生活が破たんしてしまう危険があります。信託であれば、浪費癖のある本人以外の親族に財産を託しておき、少しずつ分割して本人に給付するなど給付方法にも配慮することができます(⇒事例8「浪費家の息子がおり、財産を相続させてもすぐに浪費してしまうかも。」)。例えば生命保険会社と信託銀行等が組んで行っている生命保険信託はまさしくそういったニーズに応えるものです。

信託の関係人

 信託当事者といえば、委託者、受託者、受益者の三者を指します。家族信託ではこの信託当事者は基本的には家族に担ってもらうことが多いといえます。しかし信託の登場人物は信託当事者だけに限りません。信託当事者を監督したり、指図したり、補助したり、代理したりする役割を担う人たちもいます。これらの役割を家族が担うこともできますが、専門家(弁護士、司法書士、税理士、不動産業者等)にその役割を担わせ、それぞれの専門性を発揮して信託スキームを適切な方向に導くことができます。

/託監督人
受益者のために受託者を監督する信託関係人で、信託に必要な権利や信託財産の保全に必要な権利(単独受益者権)の行使の権限を有する者をいいます。

⊆益者代理人
その代理する受益者のために受益者の権利に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする者をいいます。

指図権者
受託者に対して事務遂行につき指図(指示)を行う者をいいます。 ex株式の議決権の行使方法の指図、信託財産の売却の指図など

た託事務処理処理代行者
受託者から信託事務の委託を受けてそれを行う者をいいます。法律、登記、税務、不動産の管理などの高い専門性が必要な分野で、受託者の事務を補助してくれる弁護士、司法書士、税理士、不動産業者等に委託することになります。

遺言代用信託・受益者連続信託

最後に家族信託を考える上で、遺言代用信託と受益者連続信託の仕組みを理解しておきましょう。

^筝逝緲竸託
遺言制度を利用せずに信託契約によって、遺言と同様の効果を実現する仕組みのことです。一般的には委託者自身が生存中は受益者となり、自分が財産を引き継がせたい配偶者や子供などを自分が亡くなった後の受益者にすることによって、委託者本人の死亡後における財産承継を信託契約によって達成しようとする仕組みです。

⊆益者連続信託
 受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得していくというように、先の受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する定めのある信託のことです。詳細は信託の機能の「受益者連続機能」のところで説明したとおりです。

 
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